探索者について考える。

株式会社SALTの理念として、この変化の大きな時代をよりよく乗り越え、再構築していくためには、社会に「探索者」を増やし、つないでいくことが重要だと考えている。

「探索者」とは何者だろうか?

これからの100年時代の働き方や生き方の予測を示した、ロンドンのビジネススクール教授リンダ・グラットンさんの「LIFE SHIFT」によれば、これから医療の発展のより長寿化の時代の中で、はたらき方の在り方は大きく変化し、雇用なき時代に突入すると予測する。国や地域を超えて、より高速化されたインターネットの通信環境の中で、様々な国と地域をまたぎ、自らの経験を常にアップデートし、成長し続ける人とそうでない人で、大きな格差が生まれると予言する。

この本の中で、最も印象的な言葉として、人は100年という長い人生の中で、学生→社会人→引退という3サイクルではなく、学び→探索→仕事この3サイクルを、何度も繰り返していくことで、時代の変化を乗り越え、長い現役時代を創り出し、自らが常に成長する人材になれるという点だ。またそのためにも、常に好奇心を失わず、“若々しさと柔軟さ”“遊びや即興性”を自らがキープしていくことが重要だと語る。

さらに、キャリアの形成として3つのモデルケースをを示している。
1. エクスプローラー(新しい価値の探索者)
2. インディペンデント・プロデューサー(これまでにない仕事や価値を生み出すプロデューサー)
3. ポートフォリオ・ワーカー(複数の仕事を組み合わせ、シナジーさせながら価値を増殖する働き方)

詳細な説明は本に譲るとして、ここでいう「探索者」の定義を借りるならば、

探索者とは、

“自分という存在の境界を押し広げ、固定概念から脱却し、ほかの人たちの行動をじっくり見る。これまで社会に形成された「システム」に取り込まれすぎずにその端に立ち、自分の思い込みや価値観に対して、新しい光を当てる人。”

私達、株式会社SALTは、まさに移住や、コワーキングという手段を通して、今ある自分の思い込みや枠を取り払い、新しい発見を学びに変えながら、世の中に価値を創り出すために一歩を踏み出す勇気のある人を応援し、増やしていきたいという思いがある。

「探索者」に伴走し、次のいとなみを生み出す。

探索者は、既存の価値を時には一度壊し、再構築する故に、常に団体で行動するというよりも、単独の行動も多く、時には、孤独や自己的矛盾を抱えていると私達は考えている。さらに、これまでは、異端、奇人と呼ばれてきたような、彼らのエネルギーや先見性、行動力は、これからより変化の激しくなる時代の中で、重要な意味を持つと考えている。

こうした「探索者」または、「探索」を続ける企業や、行政などの団体に伴走し、答えのない時代の中で、様々な手段を組み合わせて、解を見出し、そして共に試し、その結果持ってさらに解の精度をともに上げていく。私たちは、この伴走をヒマラヤなどの6000メートル級の超高山を登る際に、冒険者と共に動く「シェルパ」の姿に重ねている。重たい荷物を共に運び、時には、命綱を握り、崖をよじ登る姿を祈り見守りながら、共に山頂を目指し、そしてその目標を共に達成する。シェルパのように冒険を共に。そして、その先に生まれる、次のいとなみが、次の世代に受け継がれそして、地層のように、この地をより良いものにしていくと信じて、
これから「探索者」に伴走していく。

(文・株式会社SALT 代表取締役 須賀大介)