福岡の応援文化が生んだ結晶のかたち。株式会社SALTと九州最大顧客数を誇る社労士法人アドバンスグループ、株式会社HOnProとの資本業務提携への思い

(文・株式会社SALT代表取締役 須賀大介)

株式会社SALTと株式会社HOnProの取締役メンバー。この2社連携でさらに多様なスキルと志を持ったファミリーが生まれた。

株式会社SALTとして新しい船を漕ぎ出すにあたって、私の中では仲間そして、私達の場がある地域の住民さんなど、より多くのみなさんのお力を借りて、船を漕いで行くことを決めていました。

それは、コロナも含めてこれだけの社会変化が連続するこの時代に、リーダー1人の力だけではなく、船の先頭に立ち見通しをつくるひと、船を力強く推進するひと、船員の料理を作るひと、船の調子をみるひと。上も下もなく、それぞれが役割を全力で果たす組織を目指していこうと思っています。
今回、株式会社SALTとして19年間の歩みで初めて、他社の出資を受け入れ、また当社からも出資を行い、相互の資本業務提携を実施することとなりました。タイトルの通り、九州最大級の顧客数を誇る社労士法人アドバンスグループで働き方と休み方のメディア「HOnProマガジン」を運営する株式会社HOnPro(本社所在地:福岡県福岡市、代表取締役CEO:伴 芳夫)と資本業務提携をさせて頂く運びとなりました。

福岡の応援文化が生んだ結晶。
この生みの親、西日本新聞清田さんのこと。

私が東京から福岡に移住してきたのは、9年前の夏のこと。当時住み慣れた東京の下北沢を離れ、たどり着いたのは、周船寺という町(福岡市西区)でした。
移住してまだ右も左もわかっていない、ただひたすらに新しい生活スタイルと価値を創り出そうと、鼻息だけは荒く、希望と不安が入り混じりながら大きな探索を始めた時期です。
当時は天神に行けば道に迷うような状況の中で、手探りで福岡という大きなクジラの背中を触りながら、頭の中でその姿を想像しながら自分に何ができるのかを考える日々でした。最初の1年は、東京に社員を残し、私が福岡を切り開く予定でしたが、上記のような状況で当時はまだ移住自体が珍しい時期でもあり情報も少なく、仕事をうまく構築できずに、会社の売り上げは見る見る落ちていきました。正直つらい時期でした。

1年踏ん張ったころに、少しずつ仲間になってくれる方が増えてきました。そして「福岡移住計画」を開始したのです。
その中で、初めて福岡地場の大きな企業からアプローチがありました。西日本新聞の清田慎弥さんです。

西日本新聞社の変革を見据えて、いろんな人に会って話を聞いている中で、移住者コミュニティのメディアを開始した私にわざわざ会いに来てくれたのです。(場所は、私の移住の恩人の一人、池戸さんの糸島野北の陶翠園でした。)
清田さんにお会いした時に、とてもまっすぐで澄んだ空気感を持たれている方だと思いました。いつか何かやりましょうということで別れましたが、その後、清田さんとは地方創生の初期に糸島スタイルという、今のリモートワークやワーケーション推進の先端を行くプロジェクトをランサーズさんや糸島市役所などとご一緒させて頂き、その実績によって当社は地方の様々なプロジェクトに関わることになっていくのです。

約7年前に、株式会社西日本新聞社、株式会社ランサーズ、糸島市、九州大学、福岡移住計画で実施した糸島スタイルは多くの反響を呼んだ。

その後、清田さんには福岡地場の様々な人脈をご紹介いただいたり、プロジェクトをご一緒させて頂きました。
実は今回の資本業務提携も、清田さんが公私共に懇意にされている、アドバンスグループの伴社長、そして釣道に本格的に入り始めた私に、アジ釣りのプロフェッショナルの弟の真介さんをご紹介したいとつないでくれたのです。これをきっかけとして、「福岡からあたらしい働き方のカルチャーを創り出そう、一人でも多くの豊かな働き方や暮らし方を実現しよう」お互いの志が一致し、また意気投合し今回の資本業務提携は生まれました。
こうした福岡の応援文化は、世界に誇れる文化だと感じます。志を持つものを応援して、育てていこうとするこの福岡で私達は生き残り成長してくることができたのです。

「福岡から働き方の未来とカルチャーを創り出す」
社労士法人グループと株式会社SALTの連携の可能性とは何か?

前置きが長くなりましたが、では私達2社のこれからの取り組みについて触れたいと思います。

ずばり2社のビジョンは、「福岡から働き方の未来とカルチャーを創り出す」です。

九州最大級の顧客を誇る社労士法人アドバンスグループの一員としてとしてこれまで数多くの顧客の働き方の課題に向き合い、最新のDX等研究を重ねてきた株式会社HOnPro。そしてコワーキングスペースSALTをはじめ多くのコワーキングスペースやまちづくりの案件に携わってきた株式会社SALT。この2社が重なることで、「あたらしい働き方、ワーケーション、リモートワーク」という言葉を一過性のものではなく、社内規則の整備から実際のリーダーシップ等の人材研修、行政と連携した各地でのワーケーションプログラムなどを一貫して提供できるようになります。

具体的にはまずは2社で以下のような取り組みを実施する予定です。

1. 企業の新しい働き方に向けた課題解決と実施についての一環したサービスの提供
2. 行政、デベロッパー等の遊休不動産の活用に関する共同提案及び運営の実施
3. 新しい働き方のカルチャーを促進する、セミナーや研修(ビジネススキル、コミュニケーション促進等)の共同プログラム開発と実施
4. 株式会社SALTが持つ移住促進サービスとシナジーのある企業へのHRサービスの共同提供
5. 移住者やスタートアップなど起業支援サービスの共同提供

相互出資、相互に取締役になることで2社のつながりをより強い絆に。

今回、株式会社SALTと株式会社HOnProは相互に10%の株式を取得し、わたくし須賀大介は株式会社HOnProの取締役に就任します。
また株式会社SALTの取締役として、社労士法人アドバンスグループおよび、株式会社HOnProの代表取締役でもある伴芳夫氏が株式会社SALTの取締役として就任致します。当社としては実に10年ぶりに取締役を迎えることになります。
これによって、業務委託、提携以上のより強固な連携が可能になります。
また2社の社員の様々なバックグラウンドを活かし、さらに深いシナジー生まれると確信しています。

さっそく、2社で株式会社SALTのカルチャーでもある、「合宿」を行いました。
まずはお互いの社員ひとりひとりの価値観を共有する時間をつくりました。すると全く違う経験、違う時間を過ごした2社のメンバーが実は同じ価値観で生きている、働いている。
その発見があったときに参加する全員のエネルギーが上がりました。この2社の連携には可能性がる。「何をやるかよりも誰とやるか」を感じた瞬間でした。

株式会社HOnProのメンバー。金融をはじめ様々なバックグラウンドを持つ高い志を持ち合わせた非常に心強い仲間が増えた

これから毎月2社の「合宿」を通じて、2社のカルチャーを融合し新しい価値を生み出す。第一回の合宿ではそれぞれの価値観を共有した。

10年目の福岡。そしてあらためて福岡の地に恩返しを。

これまでも福岡の地で、多くの皆さんの応援を頂きながらここまで9年やってきました。10年目の今年、ちょうど節目のこの年に、本件を含めて多くの挑戦をさせて頂いています。
この連携については、改めて、福岡という地の可能性を強く感じています。これから、移住者としていただいてきた御恩を、この地に返せるように、新たに増えたこの仲間たちと進んで行きたいと思います。

これから移住される方にも、少しでも私達が応援できる存在になっていければと思います。
これからも応援をよろしくお願い申し上げます。

(文・株式会社SALT代表取締役 須賀大介)